統合失調症と向き合う兄弟たち4

三男の海(仮名)は、大地(仮名)が発症したときは、まだ中学一年生だった。

中一の3月という多感な時期に、憧れていたお兄ちゃんが発症したのだ。

四つ離れた兄の大地には、何をしてもかなわなくて、海にとってはかっこいいお兄ちゃんというイメージだったようだ。

大地が発症した時に、最初は妄想性障害と診断された。退院後のクリニックで統合失調症と言われるのだが、私はその事を、月子にも空にも、そしてまだ13歳だった海にも伝えた。

退院後、大地は高校三年生で、学校に通い始めたから、帰宅すると寝ていた。けれど卒業後は、ずっと家にいる。発症してから一年後、中学三年生となり、部活も引退して早めに帰宅するようになった海は、寝て過ごして夕方起きたばかりの大地に誘われて、遊戯王カードをやってくれた。海は、遊戯王なんてやったことなかった。

しばらくして、海が「かあさん、遊戯王カード覚えなよ」と言ったことがある。これも後からわかったことだけど、海は遊戯王カードなんてやりたくなかったのだ。けれど、大地に誘われて、楽しげに付き合っていた。

発症して一年後からは、受験生の海が早く帰宅していたから、安心できた。

つづく

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